2025/03/20 00:17

「心潤う」ハンドメイド大人服、チエソーと申します。
ご覧いただきありがとうございます😊

2025.9.19に、チエソーは5周年をむかえます 🎉
この5年間、たくさんのお客様との出会いとご縁に心から感謝しています。

5年という節目の年ということで…
あらためて、チエソーが大切にしている想いをまとめました。

「本来の私をとりもどす服」
「心に潤いやときめきを灯す服」

そんな想いを込めたブランドの物語です。



ーチエソーの物語 ー


■本来の私をとりもどす服
毎日の暮らしのなかで
私たちはいくつもの役割を背負っています。

仕事のこと。
家庭のこと。
子育てのこと。
介護のこと。

気づけば一日があっという間に過ぎていって、
いつのまにか自分のことは後まわし。

――私って、本当はどう過ごしたかったんだっけ?
ふと、そんな思いが胸をよぎることはありませんか。

お気に入りの服に袖を通したとき、
不思議と心がやわらぐ瞬間があります。

鏡に映る自分の顔が、ふっとほころんで。
「あ、これが私なんだ」
そんなふうに、心の奥がほどけていく。

その小さな瞬間こそが、
自分を大切にするための
ささやかなきっかけになるのだと思います。

だから私は、服をつくります。

「本来の私をとりもどす時間」を
あなたの日常にそっと届けたくて。

その願いを込めながら、
ひとつひとつを仕立てています。




■ものづくりとミシン
幼いころから
切ったり 貼ったりする工作ドリルが好きでした。

ボタン付けも
遊びのひとつのように 楽しんでいたそうです。

はじめてミシンに触れたのは
小学四年生のとき。

母と一緒に作ったレッスンバッグ。
布を選び 糸を通し
ミシンを動かすたびに
私の手のなかで かたちになっていく。

完成した瞬間の
胸がふくらむような喜び。
あの達成感は 今も鮮明に覚えています。

母もまた
幼い私に ワンピースを縫ってくれました。
祖母も 洋裁が好きだったと聞きます。

そうして つながってきた針と糸。

だからでしょうか――
ミシンはきっと
私の「根っこ」のような存在なのです。




■ご近所物語に出会った日
中学生のころに読んでいた「りぼん」。
その中で連載されていた
「ご近所物語」を手にしたとき、
私は心を大きく動かされました。

主人公たちが、自分の好きな服を作り、
自分らしさをまっすぐに表現している姿。

そのキラキラとした世界に胸が高鳴りました。

――「洋服って自分を表現できるんだ!」

その瞬間、
新しい世界の扉がひらいた気がしました。

小学生のころから、
自分の気持ちや思いを伝えることが苦手で、
自信を持てずに過ごしていましたが…

「ご近所物語」に出会い、
洋服が自分を肯定してくれるような感覚を覚えたのです。

あのとき感じたワクワクは、
今でも胸の中に鮮やかに残っています。

「いつか、自分も誰かの心を動かすような服を作りたい」
その気持ちが、今の私を動かし続けていて、

自分が感じた
あのワクワクやキラキラを誰かに届けたいから、

今もこうして
ハンドメイド服を作りつづけているのだと思います。




■服づくりは、私自身にとっての「自分時間」
生地をえらび、糸を通し、
一針一針を縫い進める。

それは、私自身にとって
自分を取り戻すための大切な時間。

子どもが生まれ
育児休暇をとっていたころ――

心のどこかで
「置いていかれているような気持ち」
を抱えていました。

子どもは可愛く
夫も私の実家も近くて支えもある。

恵まれた環境のはずなのに、
「自分ってなんなんだろう…」と
涙がでる日もありました。

家の中には
たしかに優しい時間が流れているのに
私だけが
どこか遠くに取り残されているような感覚。

そんなとき
ふとミシンに向かうと
少しずつ心が静かになっていきました。

ひと針ひと針
手を動かすうちに
「そうだ、私はこれが好きだったんだ!」と
忘れかけていた自分を
少しずつ取り戻していくような時間でした。

ミシンは、私にとって呼吸を整えるもの。
また前を向く力をくれるものなんだと実感しました。




■心の潤いを取りもどすように
洋服は
一日のはじまりに必ずふれるもの。

その一着が
心の潤いを取りもどすキッカケになったら、
それはきっと
日々を生きる人のエネルギーに変わる。

たとえば、
お気にいりのワイドパンツをはいて
外へ出かける朝。

いつもより背筋がすっとのびて、
歩く足取りも、少し軽くなる。

鏡を見るたびに
顔がほころぶ。
 
ときにリセットのきっかけをくれ、
ときに背中を押してくれる。

チエソーの服を身にまとったとき
本来の私に戻れるような時間を過ごす。

――それはもう、ただの服ではなく
心に寄りそう存在でもあるのです。




■最後に
これからも私は、
服をただの「衣服」としてではなく、
心に寄り添う存在として届けていきたい。

それは、忙しい毎日のなかで忘れがちな「本来の私」を、
ふと取りもどせるような時間をつくること。

そして、着る人の胸の奥に、
小さな潤いやときめきを灯すこと。

そんな願いを込めて、これからもミシンとともに、
チエソーは服を作りつづけていきます。



2025.9.4 チエソー 飯島千絵